不動産を売却する時に押さえておきたい注意点
野中清志 住宅コンサルタント 野中清志 著

不動産を売却する際、いくつかの注意点があります。ローンの残債や、管理費の未払い分など…。

今回は、マンション売却時に「押さえておきたい」ポイントを紹介します。

ローンの残債を把握する

多くの方は、住宅ローンを使ってマンションを購入すると思いますが、毎月のローン返済額は元金部分と利息部分に分かれています。

金利によっても異なりますが、返済開始当初は利息部分が多く、元金の返済がなかなか進みません。返済が進むと、元金部分の割合が多くなっていきます。

そのため、購入後すぐに売却すると、ローンの残債を売却金額から引いても、ローンが残ってしまう場合があります。売却時にはローンの残債をよく確認しましょう。

管理費・修繕積立金の未払い分はないか?

区分所有者には、管理費の支払い義務があります。もし滞納分があると、マンションを新たに購入した人に支払い義務が発生します。

ですから、マンションを売る場合には、「管理費滞納分あり」と表示されてしまいます。印象が悪くなるばかりでなく、売買代金から引かれてしまうこともあります。購入する人にとっては、「マンション価格+管理費等の滞納分」を支払うことになるからです。

さらに自分の住戸だけでなく、同じマンションの中に管理費を滞納している住戸があると、これもトラブルの元となります。管理組合などでも、滞納住戸が発生しないように日頃から注意が必要です。

大規模修繕工事の費用は足りているか?

マンションでは、定期的に大規模修繕工事が行われます。大体、築10年を超えた頃と、20年から30年頃に行われます。

この大規模修繕工事の前だと、費用が足りずトラブルがあったり、工事中で不便だったりしますので、大規模修繕工事終了後の方が売りやすくなります

管理組合の運営がうまくいっていないマンションでは、大規模修繕工事の合意がなかなかできないので、工事が先延ばしになってしまう場合もあります。

住みやすいマンションは管理組合運営も上手

自分が住んでいて住みやすいマンションは、やはり売れやすいものです。

マンションでは、管理組合が重要な役割を果たします。管理組合で日常の清掃から、大規模修繕工事までを実施します。管理組合でのコミュニケーションが良好なマンションでは、住民同士の合意もしやすく、組合運営もうまくいっているケースが多いです。

管理組合の活動には日頃から関心を持ち、管理組合総会にも積極的に出席して、自分のマンションの住環境を向上させるように心がけることが、結果的に資産価値の向上にもつながります。

周辺地域や沿線、ターミナル駅等の将来の発展性は?

東京オリンピックが近づいてきており、各地で再開発がすすめられています。マンションの最寄り駅や、沿線のターミナル駅などで、再開発計画はあるでしょうか。

再開発が完成すると、会社の移転で就業人口が増加したり、商業施設の開業で来場者が増加したりするので、沿線上の住宅需要も増加します。

こういった場合、新築マンションの供給が少なかったり、高額だったりする場合は、中古マンションの需要が増加します。

ですから、再開発情報を入手し、どういった場所にどういった施設ができるのかを把握しておくことも有利な売却につながります。

特に東京オリンピック前の、各地で再開発が進んでいる現在は、沿線上のマンションの人気が高まってきているので、売却には有利と言えます。

金利・市場動向からみた「売り時」か?

マンションを売るときは、「売り時」かどうかも重要なポイントです。

現在は低金利が続いています。低金利の住宅ローンを組めるので、マンションを買いやすい状況となっています。

マンション売却はタイミングが重要です。金利が低い時期は、マンションが買いやすくなるので、新築マンションの需要が増加し、価格も上昇する傾向にあります。

新築マンションの価格がどんどん上昇していくと、やがて中古マンションの需要も増加していきます。特に地価・マンション価格が上昇している現在は、中古マンションの人気も高く、「マンションの売り時」と言えるのではないでしょうか。