不動産売却

【強制退去したら殺された】ワンルームマンション投資に潜むリスク

ワンルームマンション投資家を震撼させた事件をご存じでしょうか。

2022年12月、茅ヶ崎市在住のワンルームマンションオーナーが殺害される事件が起こりました。容疑者は、オーナーが所有するワンルームマンションに暮らしていた50代の男性。強制退去を通告され、逆上して犯行に及んだとされています。

「不労所得が手に入る」「売却すれば保険代わりの収入になる」「節税になる」など、メリット面ばかり注目されがちなワンルームマンション投資ですが、実際のところ成功するのはほんの一握りのみ。成功したとしても、入居者に恨まれて殺される可能性すらあるのです。

今回は、ワンルームマンション投資家が殺害された事件の詳細とともに、ワンルームマンション投資に潜むリスクを解説します。

他人事ではない!大家が入居者に殺された茅ケ崎事件

事件が起こったのは2022年12月20日。茅ヶ崎市中海岸に住む55歳の会社員男性が、自宅で刃物のようなもので刺されて死亡しました。

2日後に殺人の容疑で逮捕されたのは、住所不定の50歳の男性。容疑者は、被害者が所有していた大阪市のマンションに住んでいた元住人でした。大阪市から神奈川県茅ヶ崎市までレンタカーを借りて犯行に及んだとのことです。

事件の発端は、容疑者が家賃を数年にわたり滞納していたことでした。総額230万円にものぼる長期滞納があったとされています。家賃をもとにローンを返済する大家業にとって、かなりの痛手だったでしょう。

被害者の大家は提訴をし、2022年10月に容疑者の男性は大阪簡易裁判所に退去を命じられました。

本来であればこれで一件落着となるはずですが、住まいを失った人の喪失感は相当なものだったのでしょう。容疑者は自暴自棄に陥り、大家であった男性を殺害してしまいました。

勝ち組オーナーだった被害者

被害者の男性は、複数の不動産を所有するいわゆる「勝ち組オーナー」でした。

東京都品川区内のマンションの一室、札幌市東区内の鉄筋3階建て共同住宅、京都市左京区内の鉄骨5階建てマンション、そして2016年には事件のきっかけとなった大阪市城東区内の鉄骨4階建てマンションを購入しています。

オーナー自身は茅ヶ崎市の海沿いの一軒家で暮らしており、遠隔で大家業を営んでいました。大家業は副業であり、外資系IT企業に勤めていたそうです。2015年には自宅に不動産会社を設立していたことなどからも、経営は順調であったと考えられます。

いくつもの不動産を所有しながら、海沿いの一軒家で老後の心配をせずに暮らすというのは、投資家たちが憧れる生活です。しかし、いくら儲かっていても命を落としてしまっては意味がありません

大家と入居者の間には、立場の上下関係が生まれます。一般的に見れば大家の立場が強く、「持つものと持たざるもの」の関係です。そのため、コンプレックスを抱えている入居者ほど恨みや嫉妬を抱えるケースもあるでしょう。実際に殺人までに至らずとも、大家と入居者のトラブルは日常的に発生しています。

容疑者のトラブルは滞納以外にもあった

今回の事件のきっかけとなったのは家賃滞納による強制退去でしたが、実際のところ容疑者は家賃滞納以外にもトラブルを起こしていました。

特に問題となっていたのは騒音トラブルでした。昼夜問わず関西弁で怒鳴り散らしていたという証言もあり、容疑者のせいで退去した入居者もいたそうです。空室が最も避けたい状況であるオーナーにとって、すぐにでも退去してほしい存在であったことは想像に難くありません。

容疑者が住んでいた大阪市のマンションの家賃は4万円でした。大阪市内のワンルームマンションの家賃が5万円後半から6万円台であることを考えると、所得が少ない人向けのマンションだったと考えられます。家賃が極端に低い物件は入居者の質が変わるため、住人トラブルや家賃滞納などのトラブルも起きやすくなります

このような背景もあり、家賃滞納や騒音トラブルは数年にわたって続いていたのです。

なぜ事件は起きたのか?ワンルームマンション投資に潜むリスク

なぜ悲惨な事件は起きてしまったのでしょうか。事件に発展するまでに防ぐことはできなかったのでしょうか。なぜオーナーはこのような入居者が暮らすマンションを購入してしまったのでしょうか。

すべては、ワンルームマンション投資に潜むリスクに関連しています。

オーナーチェンジの時点で悪質な入居者も引き継いでしまった

被害者の男性が大阪市のマンションを購入したのは2016年のこと。オーナーチェンジという形で、入居者がいる状態で購入しています。

容疑者の家賃滞納が始まったのは被害者が購入した後ですが、それ以前から騒音トラブルは度々発生していました。物件を購入する前に、前のオーナーや元付の仲介会社から入居者の状況を確認しておくことが大切ですが、それだけで防げたかといえば難しいかもしれません。

入居者選びは、ギャンブルに近い部分があります。購入してから家賃滞納が始まる可能性もありますし、同棲や結婚をしてトラブルが起きる可能性もあります。さらに、前のオーナーや仲介会社が自分たちの都合でトラブルを積極的に隠すことも十分に考えられるのです。

日本は入居者を強制退去させることは難しい

今回、容疑者の家賃滞納は5年間にもおよび、ようやく強制退去に至ったとされています。被害者の男性は個人投資家であり、自身で金融機関からお金を借りて運用していたため、家賃が回収できないのはまさに死活問題でした。

しかしながら、日本ではオーナーが入居者を退去させるのは非常に困難です。その理由は、借地借家法があるためです。借地借家法では、生活の基盤となる居住権を保護するため借家人(部屋を借りて住む人)の権利が強く、オーナーは簡単に立退きをさせることができません。

今回の事件のオーナーのように、法的手続きにより強制退去させることは可能ですが、そのためには莫大な労力と時間、お金を要するのです。

オーナーの個人情報は入居者に伝わる

今回の被害者は、個人で会社を経営しており、不動産管理会社に委託をしていませんでした。そのため、賃貸借契約書にはオーナーの個人情報が記載されていたと考えられ、容疑者はその情報をもとに茅ヶ崎市の自宅までやってきたようです。

しかし、契約書でオーナーの個人情報を伏せたとしても、登記簿謄本を取り寄せれば誰の所有物件なのかは簡単に分かってしまいます。つまり、オーナーの個人情報を完全に隠すことは難しいのです。

オンラインで登記情報を調べることもでき、1通400円ほどで手に入れられます、ゾッとしますよね。。

また、近年では名前さえ分かればSNSや会社のブログなどから、簡単に生活圏が特定できてしまいます。今回のように尋常でない恨みを持った容疑者であれば、あらゆる手を使ってオーナーを探し出したことでしょう。

ワンルームマンション投資がリスクに見合っていない

お伝えしたように、物件オーナーの個人情報は、入居者に筒抜けです。強制退去なんかした日には殺されるリスクがあります。

ただ、家賃滞納を繰り返している場合、強制退去しないとその人の家賃を一生面倒見ることにもなるので、行くも地獄、引くも地獄と言えるでしょう。

そんな命の危険すらある不動産投資ですが、それによるリターンがあまりにも低いと感じます。

実質利回りはかなり低い

ワンルームマンション投資において、投資判断の根拠される情報の1つである「利回り」ですが、不動産会社が謳うものの大半は「表面利回り」です。

ワンルームマンション投資をする場合、様々な経費が発生します。管理会社に支払う費用、修繕費用、設備交換費用、入居者募集のための広告費など。この経費を家賃収入から差し引かずに、そのまま利回りを計算したものが表面利回りです。これは当然、経費を考慮した「実質利回り」よりも高く出ます。

オーナーの中には、「ローン返済が終われば資産が残るから、多少の赤字があっても大丈夫。少しでも手残りがあれば大成功だ」と感じる人もいるかもしれません。

しかし、その計算に税金や修繕積立金などの「将来的なコスト」は含まれているでしょうか。それらをすべて合わせても十分なリターンが出ていると言えるでしょうか。数千万円ものローンを組んで、さらに入居者に恨まれるリスクまで負いながら得る価値があるものなのでしょうか

ワンルームマンション投資の実質利回りは、一般的に考えられているよりもずっと低い(どころか赤字も珍しくない)ものなのです。

入居者の実態は分からずギャンブルに近い

オーナーには入居者を選ぶ権利があります。入居希望者の勤務先や収入の安定性、年齢などからある程度審査をすることはできますが、しかし人柄まではなかなか判断できません。遠方から申込みをしてきて、一度も会わないまま契約をすることもあるでしょう。

トラブルに発展させないためには入居審査を厳しくする手もありますが、そうすると空室期間が長引き収入減になってしまいます

入居者の選定は、不動産管理会社に委託することも可能です。しかし管理会社も空室を避けたいので、そこまで厳しく審査を行うわけにもいきません。

結局、入居者選びはギャンブルなのです。実際に会って人柄を確認したつもりでも、いざ入居したら騒音トラブルを起こして退去者が出たり、警察沙汰になったりするケースも十分に考えられます。

不動産投資博士
不動産投資博士
正直、トラブルを起こさないことを祈るしかないでしょう。

保険代わりとしては不十分

不動産会社の営業マンの中には、「ワンルームマンション投資は保険の代わりになる」などと言ってセールスをかける人もいますが、不動産投資は保険代わりにはなりません。

確かに、ローンの支払いが終われば、ワンルームマンションの家賃は全て収入となります。年金だけでは不安な時代に、収入があるのは安心感があるでしょう。しかし、管理会社への管理費用、修繕積立金、退去時の原状回復費用や入居者募集のための広告費などの経費は継続的にかかります。ましてや、今回のように家賃滞納者が出れば思ったように収入も入らなくなります

また、マンションを売却すればまとまったお金が入りますが、築年数が経過した物件は市場価値が下がり、購入金額とはかけ離れた金額になることも少なくありません。

さらに、入居者によるトラブルだけでなく、地震や水害など自然災害によってマンションが倒壊したり、市場価値が急落したりする可能性もあります

ワンルームマンション投資は、所持し続ければそれだけでお金が出ていきます。保険代わりになるどころか、早く処分しなければ将来の負担になるリスクすらあるのです。

「サブリース契約をしておけば安心」というのは間違い

今回の事件を、オーナーが直接入居者と連絡を取っていたことが主な原因と考え、今回の事件のようなトラブルに巻き込まれないために、不動産管理会社に全てを委託する「サブリース契約」を検討するオーナーもいるでしょう。

サブリース契約では、入居者の募集から選定までを不動産管理会社に代行してもらえますが、危険な入居者が入らないというわけではありません

また、家賃滞納などのトラブルが発生した際に家賃保証を受けられたとしても、一般的なサブリース契約における家賃保証率の相場は80%、良心的なところでも90%程度です。さらに、家賃は物件の劣化とともに管理会社から年々値下げを要求されるうえ、オーナー独自の判断で家賃を決められるわけでもありません。

さらに、「手間がかからなさそうだから」「入居者と直接やり取りをしなくて安全そうだから」と安易にサブリース契約を結ぶと、解約するのが非常に困難です。莫大な違約金が発生するなど、サブリース契約に関するトラブルは後を絶ちません。

また、サブリース契約をしたからといってオーナーの身の安全が100%守られる保障もありません。サブリース契約を締結しても入居者の強制退去は大変な作業であり、今回の事件と同じような状況に陥れば、最悪の場合、個人情報がバレて命を狙われる可能性はあるのです。

不動産投資博士
不動産投資博士
結局、物件オーナーは登記簿情報からバレます。サブリース会社が強制退去を執行した場合に逆恨みされる可能性は十分にあります。

リスクがあるのにワンルームマンション投資をするのは危険!より健全な方法を

本記事では、茅ヶ崎市で発生したワンルームマンションオーナー殺害事件についてご紹介しました。今回のように最悪の事態にまで発展するケースは稀ではあるものの、オーナーと入居者間のトラブルは日々発生しています。特に日本の法律ではオーナーより入居者を守るため、家賃滞納や騒音トラブルが発生しても泣き寝入りせざるを得ないオーナーが多いのです。

ワンルームマンション投資は経営がうまくいかないというリスクだけでなく、入居者とトラブルに発展するというリスクも高くなります。そもそも、これほどリスクが高いのに、リターンは見合っておらず、健全な投資方法とは言えないでしょう。将来のことを考えるのであれば、より健全な方法で資産形成をしていくことをオススメします。

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